演奏で食べていくということ=音楽を演奏することによって生活のためのお金を稼ぐということです。
音楽は趣味でやるのが一番楽しいと、常々思っています。
というのも、趣味でやる分には自分がやりたい曲だけを好きなように演奏できるからです。
他の職業でもなんでもそうですが、働いてお金を稼ぐという事は、好きなことばかりやれるわけではありません。
よく、音楽で食べていると言うと「好きなことでお金が稼げるなんて羨ましい」と言われますが、それは一部当たっていますが、全てではありません。
実際、仕事としての演奏活動は好きな曲ばかり演奏するどころか、聴いたこともない変な曲を演奏する機会の方が多いですし、不得意分野や客層に合わせたプログラムを演奏する機会も多く、演奏会場も必ずしも良いホールとは限らず、地方公演という可能性もあり、そのような状況でどれだけ高いクオリティの演奏を提供できるかがプロとしての勝負になります。
超有名な演奏家になれば、自分で演奏プログラムや仕事を選ぶこともできるでしょうが、駆け出しの演奏家や職業演奏家として普通のレベルの人たちは、企画側からやれと言われた曲を演奏するものです。
どんな曲を与えられても練習して本番をこなすのがプロというものです。
あれは趣味じゃない、これは難しすぎる、そんな曲演奏したくない・・・等と言えるのは1回の演奏会で数百万稼ぐようなごく一部の演奏家だけだと思います。
でも、たとえ有名な演奏家でも、それまでに自分が好きな曲だけを演奏して来ているわけでは無いと思いますが。
結局のところ、好きな曲だろうがそうでなかろうが、人前で演奏することが好きな人がプロになるんでしょう。
練習では完璧に演奏できるのに、本番ではうまくいかないような人は演奏家向きでは無いですし、反対に練習では完璧というわけではないのに本番では聴衆を感動させられるような人は演奏家に向いています。
演奏は趣味として年に数回演奏会をし、生活の糧は他の仕事(ピアノ教師や音大講師、学校教師や会社勤めなど、とにかく演奏では無い仕事)で得ている人も多いです(というか日本のクラシック界の80%以上の人はそうだと思います)が、それが悪いとは思いません。
演奏を仕事にしているせいでレベルの低い演奏屋になってしまう人もいれば、趣味の演奏でクオリティの高い演奏を披露する人もいるでしょうから。
私はドイツでオペラ合唱の仕事をしていますが、自分でも演奏以外の仕事が向いてるとは思えないので、時に変な演出や変な曲をやることがあったとしても、この仕事に就けて本当にラッキーだと思います。
それでもたまには日本でオペラにソロで出たりリサイタルをするようにしています。
しかし、これで生活の糧を稼いでいるとは言えないので、趣味のようなものでしょうね。
これから留学しようという若い人たちには就職についての実感はまだ無いでしょうけど、将来のビジョンを描くための助けになればいいと思って書いてみました。